音楽芸術 (雑誌)

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音楽芸術』(おんがくげいじゅつ)は、かつて音楽之友社から発行されていたクラシック音楽の月刊誌。1936年に『音楽文化』として創刊、1946年に『音楽芸術』に改称。主に現代音楽の分野をカバーする音楽専門誌としてその役目を担ってきたが、出版状況の変化等により、1998年12月号をもって休刊(廃刊)となった。

特徴[編集]

1983年ごろまで、付録[1]として楽譜が付いている時期があった。創刊当初はクラシック音楽の名曲を中心に、1950年代中盤以降は、現代音楽の作曲家の新作、旧作が掲載される場合が多く、音楽之友社主催の作曲コンクールに入選した作曲家の作品が掲載される場合も多かった。

その他、通常のクラシック音楽雑誌として、演奏会批評、海外通信、新譜批評等のコーナーもあり、クラシックから現代音楽まで幅広くカバーしていた雑誌と言えるが、古楽だけ専門家がおらずほとんど取り扱っていなかった。作曲家と音楽評論家で口論になることが多く、季刊『音楽の世界』より早く廃刊した[2]

かつては柴田南雄配分法[3][4]バルトークの作品を分析[5]するなど、学究色の強い雑誌であったことは否定できないが、1979年以降前衛が退潮するに伴って、前衛作曲家の特集はほとんど組まれなくなった。それでもJML音楽研究所に来日した作曲家や関西ドイツ文化センターに来日した作曲家のレポートだけは続けていた。

寄稿した主な音楽家[編集]

参考文献[編集]

  • ONTOMO MOOK 日本の作曲20世紀 音楽之友社

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 音楽芸術付録”. jp.mercari.com. 2024年5月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月28日閲覧。
  2. ^ 「音楽の世界」2024年新春号が発売中です(税込価格¥800)”. www.cmdj1962.net. 日本音楽舞踊会議. 2024年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月28日閲覧。
  3. ^ 高橋悠治. “柴田南雄追悼(1996)”. www.ne.jp. 2002年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月30日閲覧。
  4. ^ 高橋悠治. “歴史と俳諧-柴田南雄のしごと(1993)”. www.ne.jp. 2002年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月30日閲覧。
  5. ^ ONTOMO MOOK 日本の作曲20世紀 p.166